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「滋賀県土地開発公社事件A」 大津地検検事正との出会い

前述したように、滋賀県警の具体的な捜査手法などに全く知識も経験もなかった私が、捜査2課の任意
同行の瞬間に偶然、立ち会うことができた。しかも、たまたま持っていたカメラで、自宅から出てきた大津市
のI助役の表情を撮影することができたのだった。

支局へ戻って、暗室へ入り、撮影したフィルムを現像。
印画紙に焼き付けてみると、1枚だけI助役の姿を捉えていた。
デスクはその写真を手に取り「下手な写真やなあ」と言っただけで、デスク席の書類かごに放り込んだ。
他社の記者やカメラマンも、任意同行の写真を撮影しているものと判断したのだろう。
当然、私の写真より上手いと思ったはずだ。

社会面の夕刊早版の締め切り時間(午前11時)まで時間があったので、私は夕刊用の原稿を書こうとした。
しかし、肝心のI助役に対する容疑内容が分からなかったし、デスクの質問に対しても答えられなかった。
「I助役はパクられるのか。それとも単なる参考人聴取か」とデスクは不機嫌そうな顔で私を見て「捜査2課
で確かめて来い」と命じた。「はい」と返事だけして県警本部へ戻っても、捜査2課の部屋に入れるわけが
なく、捜査員と話ができるわけもなかった。

翌日の新聞は、ほとんど内容のないわが社の記事に対して、他社は滋賀県土地開発公社の疑惑が
事件に発展し、巨額の不正経理や贈収賄事件が明るみにされることを予想していた。
ただ、任意同行で自宅を出るI助役の姿を写していたのは地元紙を含めた3紙だけだった。
しかも表情をとらえていたのはわが社だけで、他紙は顔を隠していたり、捜査員の陰に隠れていた。
全国紙の先輩記者が「うまいこと写真を撮ったな。うちのカメラも追いかけたけど、ポリに邪魔された」と
悔しがった。

I助役は身柄を拘束されたが、収賄や背任容疑を立件するのは困難で、長時間に渡る取り調べの結果、
翌年に執行猶予付きの有罪判決になった。

この事件捜査の過程で、私は捜査2課員に小馬鹿にされるばかりで、警察内部からの情報を取ることが
できなかった。

そのころ、私は警察と検察の捜査手続きや手法に全く無知だったから、ふと思いついて検察官を取材して
みることにした。

当時、大津地方検察庁には記者クラブは無く、発表など広報を担当していたのは次席検事だった。
だが、検察庁が事件などで記者発表することは皆無で、実際ほとんどの事件捜査は警察が担当。
マスコミ側も警察の発表で十分だった。

作家 津島稜